愛着障害(反応性アタッチメント障害・脱抑制型対人交流障害)


「愛着」というのは幼いころに養育者と子供の間に築かれる情緒的な関係の絆のことです。大体生後6か月から2歳ぐらいまでの間に養育者と子供の間で授乳や抱っこなどのさまざまな交流を通して築かれます。そして子供は安心できる愛着の対象としての養育者(多くは母親)を安全基地として外界へとおずおずと出て探索行動をしていくことになるのです。そしてこの愛着の様式が、その後の対人関係の基盤を作り上げます。

 

ところが何らかの事情で十分な愛着が形成不全に終わった時、成長後もその影響を引きずって不安定な対人関係の持ち方や感情の交流が生じてきてしまいます。その愛着障害の型として「反応性アタッチメント障害」と「脱抑制型対人交流障害」に大きく分かれるのです。


<反応性アタッチメント障害>

反応性アタッチメント障害は、俗に「凍り付いたまなざし」と言われるように、大人や養育者に対して情動の抑制とひきこもった行動を一貫して見せます。たとえば何かで苦痛な状況でも子どもはほとんど助けや庇護、甘えなどを求めません。また楽しい雰囲気の中でもほとんど陽性の感情を表情に見せません。まさしく「凍り付いたまなざし」を周囲に向けているわけです。

 

このような状態になってしまう原因としていわゆるマルトリートメント(不適切な養育)が挙げられますが、衣食住の生理的な欲求が最低限満たされていていわゆるネグレクトとみなされない場合でも、心理的・社会的な情緒面の交流がなされない場合、あるいは養護施設・保護施設などでたくさんの子供に対して養育者の人数が不足している場合、同様に心理的・社会的な情調面の交流が不足して反応性アタッチメント障害になってしまう場合も考えられます。

<脱抑制型対人交流障害>

脱抑制型対人交流障害は反応性アタッチメント障害とは表面的には逆の症状が見られます。たとえば見慣れない大人がいてもためらわず近づいてなれなれしいぐらいの言語的・身体的な接近・交流を見せます。またいわゆる人見知りとは反対に知らない人でも何のためらいもなく進んでついていこうとします。

 

一見すると過剰な愛着行動ともとれますが、その背景にはやはり愛着が育っていません。「愛着」と言うのは安心できる養育者との関係ですが、脱抑制型対人交流障害の子供の場合、「特定の安心できる大人とそれ以外の人」と言う区別ができていないとも言えます。

 

ですからたとえなれなれしく甘えてきても、そこに情緒的な交流は求めておらず、利害関係や表面的な関係だけである場合が多いのです。

 



<写真はAmazonより>