絵本作家のくどうなおこさんの言葉に、劇画家の松本大洋さんが絵を付けた絵本
「いる」じゃん
このお二人のコラボだけでも素晴らしいのに、表紙をめくって読み始めると、なんだかとても懐かしく、自分が子供の頃に感じていたことがじわじわとよみがえってきました。
だれかいるかー
地球がひとりだったころ
さびしくて なかまが ほしかった
そしてぼくもひとりでさびしくなったとき、
だれかいるかー
ぼくもさびしいと
地球のまねをする
すると、太陽が「ウッス」と顔をのぞかせてくれるし、
公園で
雲や風やブランコやダンゴムシが
「こんにちは光線」を飛ばしてくる
そうか、そうだよね、子供たちの周りには、色々なものが「いる」じゃん!
道の真ん中で、飽きもせずアリさんとお話をしてみたり、風に吹かれる道端の名もないお花にほほえんで挨拶をしてみたり、子供たちにとっては、太陽も風も、アリもお花も、み~んな友達なんですね。
うらやなしいなぁ。
私にもそういう世界があったはずなのに、いつの間にか「孤独」や「疎外」や「いがみ合い」ばかりがこころの中を占めている。
いや、だけど、きっと今でも私の周りにはすべてのものが、私が心さえ開けば、友達になってくれるんじゃないのかな。
私が「こころをとざしてしまっている」だけなんだろう。
私が「だれかいるかー」と声をかければ、「ここにるよー」と返してくれる声がきこえてくるんじゃないかな。
私が「耳をとざしてさえいなければ」。
だれかいるかー、と声をかけてみませんか?
ここにいるよー、という声が聞こえるかも。
「いる」じゃん、そこに。
見つけられてないだけかも。
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