内向的な在り方

コロナが広がって数年経ちましたが、最近のニュースでは不登校の子供たちが驚くほど増加しているとのこと。それはわたしも実感として感じますが、それに加えて最近感じるのは、パニック障害や不安症を訴える若者の数が増えているのではないかということです。

 

コロナやインフルの流行をこれでもか、とマスメディアで浴びてきた私たちにとって、なんとなく漠然とした不安を世の中全体に感じ取るようになってきてしまったような気がします。

 

ましてマスクなどをすると、余計に相手や自分の唾がまるでコロナウイルスそのものであるかのような感覚になってしまい、私も電車の中でゴホンゴホンという音が聞こえてきたらなんとなく身構えてしまう自分がいます。そうなると結果的に人との関りに警戒して、減ってきてしまうのも仕方がないことかもしれません。それをカバーするためにオンラインという方法もありますが、やはり五感を伴う直接的な関りと比べると、触れあっているという実感は確実に違います。

このような雰囲気の悪影響はいろいろなところに及んでいるようで、特に本来みんなでワイワイとおしゃべりをして触れ合うのが好きだった子供たちにも不安を呼び起こして、周囲と関わるよりも自分の内へと引っ込ませることになっているのではないか、という印象を受けています。それが不登校などの増加に影響しているのでは、という見方もありますが、果たしてどうでしょうか、真偽のほどはわかりません。

 

ところで他の人と触れ合うことにエネルギーを向けられないということが果たして本当に問題なのでしょうか?


ちょっとへそ曲がりな意見かもしれませんが、「自分のエネルギーを外へ向けるタイプ=外向的」な在り方がすべてではなく、「自分の内面へとエネルギーを注ぐタイプ=内向的」な生き方も決して悪くはなく、いや、むしろ大切な生き方ではないかと思うのです。

今の時代、確かに「外向的」な人が得をしがちな傾向があります。例えば学校でよく見かけるスローガン「明るく、楽しく、元気よく」に従うと、「一人で、黙って、静かに本を読んでいる」タイプの子供たちは「暗い」と言われてますが、果たして本当でしょうか?

そういう意味では、子ども時代は確かに外向的な方が友達も多く、先生からも気に入られたりしますが、大人になるとむしろ内向的な人の方が、考えの深さや奥行きの広さ、人間的な落ち着きなどが魅力となってくると私は常々思っています。内向的なあなたも心配はいりませんよ。噴水は空中へと吹き出る華やかさで人を癒してくれます。しかし逆に深く掘っていけば、豊かな地下水が静かに湧き出てくる可能性もあるのです。

今回は、日本よりも多分もっと外向的社会ではないかと思われるアメリカで、あえて「内向的な人の秘める力」について主張したスーザン・ケインさんの動画を紹介します。