今、ちょっとネットで話題になっている、小学館コミック大賞佳作作品「鬼」。
この作品は17歳の浄土るるさんの作品だということですが、なんとも閉塞感に満ちたストーリです。
ある小学校に転校してきた暗い影を持つ転校生の女の子「ポンポコちゃん」に、何故か惹かれて仲良くなろうと近づく主人公の「子豆ちゃん」。
しかしなかなか心を開いてくれません。実は子豆ちゃん家庭は母子家庭で、お母さんが小豆ちゃんと妹に暴力や心理的虐待を繰り返していたのです。そして子豆ちゃんは転校生のポンポコちゃんの表情や雰囲気から、同じ境遇を感じたのかもしれません。
それにしてもこのストーリの救いの無さには・・・。しかしそれよりももっと衝撃的なのは、このスト―リーが決してファンタジックなストーリーに思えないぐらい、現実そのものを表していることです。
「事実は小説より奇なり」どころではなく、まるでドキュメンタリーや私小説ならぬ̪私マンガであるかのような気になります。
そしてそう感じている自分や、そう感じさせている現代の社会状況に改めて驚かされているとともに、それを17歳の高校生が描いた、ということです。
これ以上はネタバレになるので、もし興味があれば一度小学館のサイトを覗いてみて下さい。
もちろん他にもたくさん新鮮な作品が載せられていますよ。
「小学館コミック大賞」
https://shincomi.shogakukan.co.jp/winner/
佳作「鬼」浄土るる
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