数学の問題は、書いて説くことができる。
それが解けたということを、誰もが確認できる。
人生上のもろもろの問題は、そういう形では、誰もがわかるように目に見える仕方で解かれることはない。
しかし、そのつど全く別の形で、不意に、あるいはそっと、
これまで考えもしなかった意味でのみ、解かれるのだ。
ヴイトゲンシュタイン 『反哲学的断章』
確かに人生の問題と言うのは、数学の方程式のように誰にでも当てはまる解決をすることはできません。
ある人にとっては最適な解決策でも、また別の人にとっては全然意味が違ってくるのです。
そう考えるとよく言われるように、「人生はそれぞれ一回きり」だということなのでしょう。
しかし「一回きりの人生を生きる」という意味では、「みんな同じ」なのです。
「異なる人生を生きる」という意味では、みな「人間同じ」、そして「同じ人間」は「皆違う人間」。
「1回きり」の人生の積み重ねから生まれてくる名言は、「普遍的」な知恵。
まったくもって不思議なものです。
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