人生の坂道を登る時 ~2~

さて先日に引き続き、人生の坂道を登る時どうすればよいか、ということについて。

   

昨日は私が小学校の時の坂道体験からの話しを書きましたが、今日はもっとおとなになってから、と言うかここ数年前に感じたことです。当時私は健康のために歩くことを続けていて、家から少しの距離にあるハイキングレベルの山を良く登っていました。それでも結構きついし、とにかく早く頂上に尽きたいと結構なハイペースで頑張っていたのです。

 

ところがそれでは結構疲れる。できればもっと楽に、そして早く登れるコツはないものか、とテレビの初心者向けの登山教室を見て居た時、目から鱗が落ちる様なコツ耳にしたのです。

 

それは「汗をかかない程度に登るべし」という言葉。

 

え!?汗をかかない程度?って??ビックリしましたが、そうらしいですね。その解説者の方の言葉によると「そうでないと疲れてしまって、例え緩やかな山道でも6時間も7時間も歩けませんよ」とのこと。なるほど。

 

そうか「早く登ろう」なんて思うから疲れるんだ、「ゆっくり登ればいいんだ!」と逆転の発想。

そうなんですよね、汗をかかない程度の歩みと言えば、「ゆっくり、ゆっくり、無理せず」ということです。ただしそれを長時間続けるのは結構気力と持久力が要ります。そんなに悠長にしたくないから、急いで早く登りたいわけですが、それがそもそも間違いの元。疲れてしまっては気持ちが続きませんからね。

 

「牛になることはどうしても必要です。我々はとかく馬になりたがるが、牛にはなかなかなれないです。」

「あせってはいけません。頭を悪くしてはいけません。根気づくでおいでなさい。

世の中は根気の前に頭を下げることを知っていますか?火花の前には一瞬の記憶しか与えてくれません」 

<夏目漱石が当時20歳代の芥川龍之介と久米正雄にあてたことば>