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卵は世界である。生まれ出ようとする者は・・・・

 

人生に疲れた時、人間関係に疲れた時、なんだかわからないけどとにかく疲れた時、そんな時にタメ息が出てくるのは当然のこと。
そのタメ息の後に、思わずつぶやいてしまった言葉、案外それが自分を支えてくれる一言であったりします。

みんな、どんな一言をつぶやいているんだろう?

「鳥は卵からむりやり出ようとする。卵は世界である。生まれ出ようとする者は一つの世界を破壊しなければならない」
かの文豪ヘルマン・ヘッセさんのお言葉。

なるほど、納得ですね。
卵の中にいるヒヨコは、卵の外にどんな世界が広がっているかなんて、まったく知りようがないわけですよね。
だから、もし卵を割って外に何も世界がなかったら、それは即「死」を意味することになるわけだ。

それなのに、自分から卵を割ろうとする行為はある意味「死と再生」の通過儀礼を実践しているといえるかもしれません。

きっとそこに何かあるはずだ、今の世界を破壊したら、きっとそこには新しい世界が広がっているはずだ、と意識しているわけもないでしょうが、それにしてもそういう行動を自然に取るべく、生まれつきプログラミンがされている。

生物と言うのは、根本的に変化・再生・成長することをプログラミングされているんだねぇ・・・・本当に不思議なものだ。

破壊は再生の準備段階。
そう信じて、今のぬるま湯の世界に安住することなく、
絶えず成長を目指して生きることが生物の基本なのかもしれません、人間もね。