希望の話をしよう <その3 希望と挫折>

今回は希望と挫折の関係について。
希望と言うものが、かなり積極的な行動の結果に生まれてくるものだと前回感じました。ただ、「こうなれば良いなぁ」、「ああなってほしいなぁ」では単なる期待や夢に終わってしまうのかもしれませんね。

しかしだからと言って世の中、希望通りにいくわけではありませんよね。当然思いがかなわず「挫折」経験をする人もたくさんいるのが現実でしょう。「挫折」と「希望」の関係はどうなんだろう?って思っているとこういう調査が報告されていました(『希望学』第5章 挫折と幸福、希望を語ると言うことー石倉義博)

(ある意識調査の中で)挫折経験があるとした人で、希望を持っていると回答した人の割合は79.7%と、挫折経験がない人で希望を持っているとする回答の割合(69.3%)よりも10ポイント高くなっており、挫折経験のある人ほど希望を持っていると回答する傾向にあるといえる

へぇ~そうなんですか。挫折を経験した人のほうが希望を持っているんですね。
もっとも挫折してあきらめてしまった人は希望など持てないでしょうから、ここで希望を持っていると答えた人は要するに挫折を乗り越えた人だ、と言えるでしょう。その点について石倉先生は

挫折とは、過去のある出来事を、乗り越えるべき失敗として認識することである。「乗り越える」とは目標を設定し、それを実現させることであるから、その点において希望と類似したものである

つまり挫折を「もう立ち直れない状況」と捉えるか「乗り越えるべき失敗」と捉えるかによって、その後の希望につながるかどうかが決まる、と言うことでしょうか。そして石倉先生は、そういう挫折体験に対する個人的な解釈の流れを「物語として人生」の構成・語りであると言われています。

なるほど。確かに自分の人生の中でこの挫折をどう意味づけて、次の物語へ結びつけるストーリーを作るか、が重要だ、と言うことですね。

と、いうことで次回は、物語としての人生について考えてみたいと思います。