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大事なことは声に出さずに語りかける

「日常で一番重要なことを伝えるには低いトーンで小さな声でしゃべる方が伝わる。そうすると相手の注意力が増してくる。
大きな声を出せば面白いと思うのは勘違いだ。」
この言葉はタモリさんの言葉。名言というよりも知恵の言葉です。

タモリさんの言う通り、大きな声でしゃべれば相手は聞いてくれるだろうと思うのは間違いですよ。これが大きければ大きいほど、相手は嫌がって耳をふさぐものです。ところがたいていの大人は子どもに言い聞かせる時、声の「大きさ」と「速さ」と「言葉数」で圧倒しようと襲い掛かります。まぁ悪意はないのですが、要するに感情的になっているわけです。大きな声で一気にまくし立てても逆効果。実際テレビでお見かけするタモリさんの声のトーンは決して大きな声やまくし立てるような速さや言葉数の多さではありませんよね。

特に発達障害の子どもに何かを伝え様とするとき「CCQの原則」というのがあります。これは「C:CALM(落ち着いて)」「C:CLOSE(近づいて)」「Q:QUIET(小さな声で)」話しかけろ、という原則です。私はそれに「R:REPEAT(繰り返す)」を加えて「CCQRの原則」と呼んでいますが、とても効果的です。ただしこの原則に徹しようとすると、こちらの感情をまず鎮めることが必要。従って、ある意味「修行」が必要なのです。ちょっとのことでは怒らない、むしろサァーと感情を冷静に沈めて、努めて客観的に相手と自分の感情を見つめる修行です。

さらにいうなら本当に大事なことは言葉にしない方が伝わるものです。なかなか大変ですが、言葉にしてしまうと意味は伝わるかもしれませんが、想いは言葉よりちょっとした表情や身体のしぐさ、更にはその人全体の雰囲気から伝わっていく方がこころに沁みとおるような気がします。

大事なことは心の中で語り掛ける。言葉にしない方が伝わるもんだ!