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詩画集「しかえししないよ」

 

今回はこんな絵本を紹介します

「しかえししないよ」日野原重明さんの詩にいわさきちひろさんが絵をつけた詩画集です。日野原さんと言えば「100歳を超えてなおスケジュールは2、3年先まで一杯という多忙な日々を送っている。乗り物でのわずかな移動時間も原稿執筆に使い、日々の睡眠時間は4時間半、週に1度は徹夜をするという生活だったが、96歳にして徹夜をやめ、睡眠を5時間に増やしたという。日野原は少なくとも110歳まで現役を続けることを目標にしていると語っている」(ウィキペディアから)という凄いお医者さんです。

 

メディア等でよくお顔を拝見しますが、その日野原先生とこれまた天才いわさきちひろさんの詩画集を私のつたない言葉で説明するのは難しいので、日野原さんの詩の中かからごく一部だけ引用させてもらいたいと思います。

 

<いのちと死は一つ>

人生は川の流れ / 人のいのちは山奥の泉から湧きいで / ちいさな渓流となり / 流れる水は石にぶつかると飛び上がり/鮎のように跳ねる

渓流は山の傾斜がなだらかになると / 成長した子どものように / 柔らかく静かに流れて行き / ひなびた里を貫き / 一部は田んぼに誘われる

~~中略~~

川となって流れて行く人の命 / 河口ではいのちの水と死の海の水と大きくシーソーゲームをし / やがては人の死は海に受け入れられる

人の生と死とはついに一体となり / 自然の生物すべてが生まれた母なる海へ還っていく / その海は遥かかなたの水平線上で天と連なる