ネットを見ていると、イギリスで18歳の時点でうつ病を患っている人の30%近くが、10代の時に受けたいじめが原因でうつ病が発症した可能性があるという研究が報告されたそうです。
さらにその報告では、
13歳のときに、少なくとも週に1度はいじめを受けていると答えた683人のうち、15%近くが18歳のときにうつ状態にあったそうで、いじめを受けた経験のない10代に比べると、この割合はほぼ3倍だったといいます。
また、頻繁にいじめを受けていた人のうち、10%はうつ症状が2年以上続いていて、いじめを受けた経験のないグループの中では、うつ症状が2年以上あった若者は4%しかいなかった、と比較されていました。
本当にいじめの影響は深刻です。
確かに私が大学で学生相談を行っている時に、不適応を起こした多くの学生から「昔いじめを受けたことがまだ尾を引いている」とか「あのころのことをまだ夢に見る」などと言う発言をたびたび聞きます。
いじめが発見されて、加害者が叱責や指導を受けても被害者に対する心理的なケアが十分ではないのが現実です。いじめは、それがなくなったとしても被害者の心の中ではずっと残っているのです。
また、自分が直接の被害者でなくても、誰かがいじめられているのを見ているだけで、「次にいじめられるのは自分かもしれない」「かわいそうだけど彼をかばったら、きっと次は自分が標的にされる」と言った不安や恐怖、罪悪感などが成長してもずっと残っているそうです。
トラウマやPTSDと言うほど厳しいものでなくても、その人の人生にずっと影を残して、その後の人間関係や社会性に影響を与えます。
本当に何とかできないだろうか。
微力ながら、一人一人の相談者に関わっていくしかないのだろうか、と考えさせられる毎日です。
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