集団に入れない子どもたち <2>

さて、前回は最近特に集団に入れない子どもたちを見かけることが多い、と言うような話を書きましたが、それについて同様の分析をされている記事を見かけたので引用してみます。

それは「いじめ」について精神科医の齊藤環さんと社会学者の土井隆義さんの対談の中で土井さんが分析されていることばです。

 

<(現代と言う時代を分析すると)・・・社会が流動化して価値観が多様化していくなかで・・・自らの判断の物差しを社会的権威や思想信条のようなものに求めることができないので、その代わりに身近な他者からの反応にすがらざるを得なくなっている。他者からの承認によって自分の行為選択を正当化し、その安定を図ろうとするのです。そのため「他人がどうも思おうと、自分の信じる道を行く」というわけにはいかなくなっているのですね>imago 「いじめ」青土社21012.12月臨時増刊号より

 

まさしくその通りだと思います。

私も以前から最近の若者の「対人過敏性」について触れてきましたが、他人の反応をとても気にして身動き取れなくなっている若者が結構います。

 

昔坂本龍馬が

 

「世の中の 人は何とも云わば言え 我が為すことは 我のみぞ知る」

 

と言いましたが、坂本龍馬も現代に生きていれば「空気が読めない奴」と言われていたかもしれませんね。

 

さてそういう社会的な背景とともに、一方では現代の若者に共通して見られる個人的な特徴も考えなければいけないでしょうね。

(続き)