東大先端科学技術研究センターによる「異才発掘プロジェクト」

昨日職場に適応できなかったA君の話を書きましたが、今日朝刊を読んでいるとこんな記事が。タイトルは「学校になじめない異才 支援 東大先端研など年10人公募」

記事の中身は突き抜けた才能があるのに学校になじめない小中学生をネットのオンライン教育などで大学卒業まで(!)支援し、世界のトップランナーに育てるプロジェクトだそうです。

 

こういう試みは良いですね。確かに特異な才能を持ちながら、あるは持つゆえに学校や集団になじめない子どもたちはいるし、そういう才能を埋もれたままにしておくのは社会損失でしょう。

 

しかし残念ながら、学校になじめないからといて、その子供に特別な才能があるとは限らない。テレビドラマなどではサヴァン症候群みたいな話が取り上げられるけれど、そんな人の存在はごくごくわずか。学校になじめていようが、いまいが、天才と言うのは限られた存在です。

 

私はむしろこのようなプロジェクトが進むことで、社会が子どもたちの価値を「何ができるか」という観点だけで見ることにつながらないか、とそれが心配です。

 

人の価値を「機能面」「能力面」だけで見てしまう観点は、多くの特別な支援を必要とする子どもたちを切り捨てる見方につながりかねないからです。

 

むしろ異才はなくても学校や集団になじめない多くの子どもたちをオンライン教育などで支援する方向のプロジェクトへ広がってほしいものだ、という気持ちになりました。