対人過敏性を考える ③ 鍋田恭孝著「変わりゆく思春期の心理と病理」より

さて、対人過敏性について少しだけ書いてきましたが、実は私の考えていることと同じようなことが指摘されている本があります。

それが鍋田恭孝さんの著書「変わりゆく思春期の心理と病理」という本。

 

その著書の中で最近の思春期・青年期の若者の特徴として

1)自分からはたらきかけることがほとんどない。待ちの姿勢が多い。

2)自分の気持ちを曖昧にして、周囲に合わせようとする様子が見られる

3)何かをしはじめても、うまくいかないと、すぐに引き下がる

4)周囲の様子を過敏に気にする

5)関わり方がワンパターンである。しかもパターンが狭い。柔軟性・多様性に欠ける。

 

と指摘されています。うむ、なるほど、そうだよなぁ、という感じです。

 

そして

<これらは単にコミュニケーションの障害というよりも、それらを含んだ「自分は何を感じているのか」「自分はどうしたいのか」「どう人と関わればいいのか」「どのように問題解決すれば良いのか」「問題は何なのかすらわからない」状態に陥っているといえよう。一言でいえば「自分そのものがわからない」「生き方そのものがわからなくなってきている」心理状態である>

と指摘されています。

 

多少一般化しすぎている気もしますが、私の接している中高生・大学生にも(いや大人にも!)そういう《主体性》の育っていない青年を見かけるのは確かですね。

 

決して目立ちはしないけれど、でもこれでいいのかなぁ?大丈夫かなぁと感じるようなタイプの青年たちです。

 

(つづく)