DSM-5についての新情報

本日、日本臨床心理士会の研修会に行ってきました。

私が参加したのは「発達障害の理解と支援に関する総合研修会 後期(1)」という分科会で

午前中は、日本医科大学の齊藤卓弥先生から「DSM-5について -発達障害に関わる問題ー」

と言うテーマでお話を伺いました。

 

斉藤先生はDSM-5の日本語版の検討会に参加者のお一人ということで、今年6月に出版される予定のDSM-5の日本語版について、DSM-Ⅳ-TRとの変更点等に関する新情報満載でした。

 

「まだ検討の途中である」ということを前提にお話しされた内容は、なかなか興味深いというか、現場で働く者にとってはかなりショッキングな内容。

 

ここですべてをお伝えするのは難しいですが、いくつか教えてもらったことを報告させてもらうと、なにより「発達障害」の分野での変更・改正点が多い、というようなことです。

 

全体的な構成や方針の変更点ももちろん注目しなければいけない点なのですが、具体的に現場で働く者にとって影響があるのは、訳語の変更、診断基準の変更・改正、診断名のカテゴライズの問題などです。

 

例えば、従来「disorder」「disability」ともに「障害」と訳されていたのが、

「disorder」は「症」、「disability」は「障害」と訳される予定だ、ということです。

 

つまり、「Learning Disorder」は「学習障害」ではなく「学習症」に

「Autism Spectrum Disorder」は「自閉症スペクトラム障害」ではなく「自閉スペクトラム症」になる可能性が高い、とも。

同様に「ADHD」は「注意欠如/多動性症」。

 

そして従来の精神遅滞「Mental Retardation」は「Intellctual Disabilities」つまり「知的発達障害群」と訳される予定だとか。

 

訳語だけでなく、特に発達障害の分野では診断のカテゴリーが予想以上に大きく再編成されるらしい。これ以外にもたくさん情報を教えてもらったのですが、少し心の準備をしておいた方が良さそうです。

 

どうしてそうなるのかについても、それぞれ理由があるのですが、現場にいる者としては慣れるまで大変かもしれませんよ。ふぅ~。