困りましたね。
こんな本を読むと涙があふれて仕方がない・・・。
「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」
大島志乃さんは、自分の名前が言えません。なぜなら、「おおしま」の「お」の字が、どうしてもどうしてもうまく発音できないからです。
数日前に新聞紙上に載ったある事件、覚えていらっしゃる方も居るかもしれません。
<言葉が出にくかったり、同じ音を繰り返したりする吃音(きつおん)のある男性(当時34)が昨年、札幌市の自宅で自ら命を絶った。職場で吃音が理解されないことを悩んでいたという。自ら望んだ看護師の職に就いて4カ月足らずだった。100人に1人とされる吃音の人を、どう支えればいいのか。学会が創設され、議論が始まっている。(『朝日新聞』2014年1月28日>
実は私も幼い頃は吃音でした。今でこそ、そういうことはなくなりましたが。
そしてこのマンガの最後のページを読むと、作者の押見修造さんも吃音症だ、ということを知りました。
押見さんは「あとがき」でこう書かれています。
<この漫画は、自分自身の経験を下敷きにして描きました・・・・でも悪いことばかりだたかというと、そうとも言えないと思っています。一つは、相手の気持ちにすごく敏感になるということです・・・・もうひとつは、言いたかったことや、想いが、心のなかに封じ込められていったお蔭で、漫画という形にしてそれを爆発させられたことです>
いいかえれば、押見さん自身の生き様を振り返ったような作品です。
一度手に取って、吃音の世界に触れていただければ幸いです。
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