どうして私はカウンセラーを目指したのだろう?  <4>

ここまで3回書いてきて、こんな個人的な話、誰が読むのだろう、と思わないでもないですが、まぁ書き始めた手前、一区切りつくところまで書いていきましょう。

 

難聴のことだけでなく、私が苦しんだのは腰痛でした。

私は昔からサッカーをしてきたので、体力には自信があったのですが、腰痛だけはどうしようもありませんでしたね。椎間板ヘルニア。

 

大学の1年から苦しみました。だましだまし生活してきましたが、もうどうにもサッカー選手としては無理になり、やめようと思ったのです。

そんな時出会ったのが、大学の保健センターに整形外科として来られていたT医師でした。

 

私が町医者で「もうこのヘルニアの状態では君の将来はないから、サッカーはやめた方が良い」とはっきり言われ、ひどく悩んでいた時に、T先生はこう言ったのです。

 

「君、日本のいろいろな代表選手がどれだけ腰痛に苦しんでいるか知っているか?(T先生は代表クラスの選手を診ている有名な先生でした)彼らはもし大会さえなければ今すぐににでも競技をやめたいと思いながら毎日トレーニングに励んでいるんだ。君にとって腰痛で苦しんでいることは決して無駄にはならない。そういう体験をした人こそ、人の苦しみがわかるんだ。だらこそ続けていく必要があるんだ。」

 

私はその言葉で一気に迷いが取れました。

「苦しんでいる人こそ、人の苦しみがわかる」という言葉は私に取っては本当に救いの言葉でした。

 

人生は自分の思うようにならない時は必ずあるけれど、それを体験した人こそ他の人の苦しみを感じ取れることができる人なのだ。

 

今さまざまな苦しい思いをされてい方々は沢山いらっしゃることでしょう。

苦しんでいる真っ最中は自分のことしか見えないけれど、やはり人は一人では生きられない。誰かに助けられる時もあれば、誰かを助ける側になることもある。

 

今の苦しみは決してあなただけのものではない。

私はそれをカウンセリングに関わるようになって、身をもって体験をすることになるのでした。

<続く>