難聴の人は、不自由な側から話しかけられた時 「とりあえず、返事をしてあいまいな笑顔を返す」技が身についてしまう、という話を書いたところで、突然アスペルガー障害の話が出てきてびっくりされたかもしれません。
しかし考えてみると、難聴も自閉症スペクトラムの方も相手とのコミュニケーションに難を持つ、という点では同じなのです。特に相手が何を言っているのかが、はっきりつかめない。変に話を展開させたり何回も聞き直すと、相手に迷惑がかかる(と思ってしまう)し自分もとても不全感が残ります。
もちろん人によって様々なので、相手の気持ちに関係なく自分の話題に引っ張る人もいますが、どちらにしても話がキャッチボールにならなければ、なんとなく孤独なものです。
ですから、それを無難にやり過ごすには、最低相手に嫌われないようなテクニックを身に着けてしまうのです。
しかしそれを続けると大変しんどくなってくるのでした。
だって、自分のホントの気持ちを出せずに居続けるということは、結果的に誰も本当の自分に気が付いてくれない、ということでしょう。
そのうち自分自身も自分の本当の気持ちに気づかなくなったりしてきます。
本当の自分を出せない。
あるいは構わず出してしまうと、周りに迷惑をかけたり、嫌がられてしまう。
その点においては、関係性の障害といわれる発達障害の方々の気持ちは少しは分かるような気がしています。
<続く>
コメントをお書きください