ささえる ことば <59> 「悪い時が過ぎれば、良い時は必ず来る。おしなべて、事をなす人は、必ず時の来るのを待つ」

「悪い時が過ぎれば、良い時は必ず来る。おしなべて、事をなす人は、必ず時の来るのを待つ。焦らずあわてず、静かに時の来るのを待つ。時を待つ心は、春を待つ桜の姿と言えよう。」

 

パナソニックの創業者松下幸之助さんのことばです。

 

確かに人生には「時」というものがあります。

早く花が咲いてほしいからと言って、蕾を剥いたところで花は出てきません。

 

「年ごとに咲くや 吉野の山桜 木を割りてみよ、花の在りかを」

「桜木を 砕いて見れば 花もなし 花をば春の空ぞ持ち来る」

 

確か一休和尚の歌ではなかったかと思うのですが、どちらの歌の意味も自然には「時」がある、早く咲かないかと思って木を砕いてみたところですべてを台無しにするだけだ、「時」が来るのを待つのが自然の道理なのだ、ということでしょう。

 

人間も同じ。

自然の一部であるからには、「時」が至るのを「待つ」ということが大切なのではないでしょうか。

「焦らず・慌てず・あきらめず」この言葉をかみしめたいものです。