雑談力を考える <4> 「雑談を深める力」

雑談力を考える <4>

「雑談を深める力」について

 

雑談を続ける力、広げる力、説きましたが、今回は深める力。

そもそも雑談と言う限り、日常的で具体的で時にはその場限りの話題ということになりますから、それを深めるといっても限度があると思われます。

しかし実際には、面接の最初の雑談にその面接のテーマがあらわされているということはままあるものです。

 

だから雑談と言えどもおろそかにはできません。

浅い話だからと言って、その背後に深まりが見られることがあるからです。

 

例として挙げれば雑談というのは麻酔みたいなものでしょう。

病気になって手術を受ける時、局所麻酔や場合によっては全身麻酔を受けますよね。

それによって痛みを感じずに済むし、手術への恐怖心も和らぎます。

しかし気が付かない間に傷口を切開されているわけですから、当然傷口の深い所をさらけ出しているわけです。

 

そして無事手術が成功したら、あとは時間の経過に従って次第に麻酔が覚め、痛みを感じ始めるわけですが、その時には十分な看護体制が惹かれ安静の元に回復を待つ、ということになります。

 

つまり雑談のうちに、思わず知らず心の深みを見せて、気が付いたときには自然にその面接の山場を越えてしまう。そして気が付いたときにはふたたび日常的な雑談の笑いに紛れて面接を終了していた、というのが私の今の時点での理想なのです。

 

ですから自然な雑談から始まり、自然に雑談を深める流れと広がりをもたらす計らいと、山場を越えた後に逆に浅い雑談へと戻っていただく、ごく自然な計らいと気遣いが、柔軟でしかも安全な面接の流れではないか、と思っています。

 

口で言うのは簡単ですが、なかなか実践は難しい。

日々これ修行の毎日です。

 

もしよろしければいろいろとご意見下さい。