
さて、雑談力を考えるシリーズ、その3
「雑談をひろげる力」
昨日も書いたとおり、世の中の物事には押しなべて対立項があります。
「雑談をひろげる」に対する対立項は「雑談を焦点化させる」です。
とりとめのない話をしているようで、よ~く観察してみると話題というものはあるタイミングで展開を見せるはずです。それが話題の論理的な展開であれ、単にしゃべるのに疲れたからにせよ、とにかく何かしら展開があります。
昨日書いた「雑談を続ける力」というベクトルは、どちらかというと、かのフロイト大先生の「自由連想法」的なベクトルですね。話題から話題へと、連想の赴くままにおしゃべりが続いていきます。自由連想法なら、最後は話者のコンプレックスへといざなわれるのでしょうが、雑談の場合は他人のコンプレックスの暴露で終わることも。
それに比べて「雑談を広げる」ベクトルは、かのユング大先生の拡充法のメソッドに近い。ある話題を巡って、どんどん思いつくままに脈絡もなくイメージを拡充していく。
その中に、きっとこの夢の文脈に合った象徴的意味を探し当てることができるであろう、的な。
ま、それはそれとして、カウンセラーとしては混合玉石の雑談の中から、まさしく玉をかぎ分ける力「焦点化」の能力が試されます。
つまり、たわいもない話をしているようで、その話の中には必ずと言っても良いほど話者の無意識につながる話題があるものなのです。
ですからどこまで広がってしまうかわからない雑談をしながら、必ず頭の半分ではどこに焦点化するか、を探る能力が必要でしょうね。
ちょうど、浮気をしている旦那さんの言い訳のほころびを、決して聞き逃さない奥様の動物的なカンのようなものです。
なんか変なたとえになってしまいましたが・・・(-_-;)
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