ささえる ことば <49> 「春の虫踏むなせっかく生きてきた」

「春の虫踏むなせっかく生きてきた」

これはランドセル俳人 小林凛くんの一句です。

なんと8歳の時の俳句。

 

私の家のせまい庭に、これまで数年にわたって小さな花を咲き続けてきた花壇があります。白い花で小さな花がびっしり。

 

春はもちろん夏も秋も冬も花が絶えることがありません。

 

ところがいつもこの時期になると、虫が発生してその花が食べられてしまいます。

黒い虫とそれからダンゴムシ。

 

よ~く見るとびっしりと花についているのです。以前はこの虫を退治しようと、目を凝らして取り除いていたものですが、今年はなんとなくそのままにしとこうと思っています。

 

何故か?

 

それは、これはこれで自然の一部の営みではないのか、と思ったからです。確かにたくさん咲いていた小さな白い花はかなりの程度姿を消しました。

 

でもどうなんでしょう、花が命なら虫も命。

確かに見た目は虫食いの花壇になりましたが、今年はこのままにしておいて、自然の再生力に賭けてみようかと思っています。再び花が咲き誇る日が来るでしょうか?

 

そう思っていたところに、この度「ランドセル俳人の5・7・5」という本を読みました。いじめにあい不登校を続けながらも、天才的な俳句を読み続ける11歳の少年・小林凛くん。冒頭の句は彼の8歳の時の句だというのですから驚きです。

 

最後にその本の表紙に載せられた一句も紹介します。

 

「いじめられ行きたし行けぬ春の雨」