ささえる ことば <41>  「馬は走る 花は咲く 人は書く 自分自身になりたいが為に」 夏目漱石

事務所へ向かう道すがら、満開に咲いている桜。

木によっては、もう葉桜になりつつあるのもあります。

 

私たち桜の花を見て春の訪れを知り、こころがうきうきしてきて、なんだかエネルギーをもらったような気になりますが、それもそのはず、桜の木にしてみればそれまでの1年間、花を咲かすために溜めに溜めてきたエネルギーを一気に爆発させたようなひと時なのでしょう。

 

あまりのエネルギーのすごさに、桜の花を見るとしんどくなる人もいるでしょうね。

そのぐらい生命力と言うのは存在感を感じさせてくれるものなのです。

 

ところが桜にしてみれば、花を咲かすのは何も意識したわけではありません。

ただ、花を咲かせて新しい生命を生み出す営みはごく自然のことなのです。

 

馬が走るのも同様。

それが馬というものであり、桜と言うものなのだから。

 

では人間はどうだろう?

私は何をするために生まれてきたのか?

何をすることが私にとっての「自然の営み」なのだろう?

 

難しい言葉で言えば「自己実現」ということになるかもしれませんが、

自分が自分であるためには、自分はどう生きればよいのだろうか?

 

難しく考えればきりがありませんが、夏目漱石は「文を書く」ことを通して自分自身に慣れたとのことです。

 

さて、私は?

あなたは?