「夜明け前が一番暗い。」
すべての暗闇において、夜明けへと反転する直前こそ、
暗闇の<底>なのである。
哀しみや苦しみや葛藤に費やすエネルギーは人をどん底に突き落とそうとする。
その時のエネルギーは容赦なく、またいつ果てるともしれない。
しかしこころにはかならず<底>があるものだ、と私は思う。
哀しみや苦しみを生み出すエネルギーがこころの<底>まで至りきった時、
やっと人間の自己治癒力が働き始める。
ユングはそういう自己治癒力を「補償作用」と呼んだ。
意識が極端に一面的に偏り、その哀しみや葛藤の否定的なエネルギーが
こころの底まで至りきった時、
常に必ず、前向きなエネルギーの逆流現象が起きるのだ、と。
次に続くのは、夜明けの輝きなのだ。
「あともう少しの辛抱だ」などと簡単には言えないが、
しかし、朝の来ない夜はない。
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