春と虫

春のこえを聞いて、はや5月下旬。日差しも暖かくなり、半そでを着る毎日になりました。

 

庭の木々もせっせ、せっせと新緑を茂らせ、「それ、いまだ!」といわんばかりの様子です。

植木鉢の花も、うれしそうに花を咲かせています。

 

ところが・・・・・

ところが よ~くみると、生えだしたばかりの新緑の葉に、なんだか異変が。

どうやらナメクジが這ったあとの粘液の後や、しろいアブラムシがびっしり集まっています。

これはこまった、と病虫害用の殺虫剤を2~3日かけ続けると、ようやく元気な若葉が再び顔を見せ始めました。

 

植木鉢の花も、なんだかあまり元気がありません。

よ~く見ると、いるいる、黒い小さな幼虫が。一生懸命、花びらを食べています。

たくさん食べて大きくなっていくんだな、と思いもしますが、花びらを食い散らかされては困ります。

仕方が無いので、ちょいちょいつまんで足でつぶしていきます。

 

考えてみれば、アブラムシもナメクジも黒い幼虫も、別に何にもわるいことしていない。

だのに、困った奴らだ、といわんばかりに排除されてしまう。いや人間が、いやわたしが排除したのです。

 

たとえ花びらがたくさん食べられても、花はそのくらいどってことないよ、という顔をしているのではないかな。

若葉がちょっとぐらいむしゃむしゃ食べられたって、大丈夫俺たちはそんなにやわじゃないぞ、と木々は言っているかも。

 

周りで見ているわたしが、心配のあまりおせっかいをしているだけなのかもしれません。

もし、虫に全部食べられて木々や花が枯れてしまったとしても、

自然 全体のかみさまからみれば、その命は虫たちに移っただけだ、そんなあたふたするほどのことじゃないだろうに、って言われるかも。

 

まったく、ここら辺りの感覚は、曲がったきゅうりを嫌がる感覚や虫くいの跡のあるキャベツを敬遠する感覚につながるかも。

いや、もっと言えば、私たち自身の生き方の感覚につながるかも・・・・・

 

なんて、大それたことを思わず考えながら、捕まえた黒い幼虫を足でつぶさずに、花から遠いところへ投げてやった今日のわたしでした。